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コーヒー豆の挽き方|器具別の目安と味の調整法【3社比較】

この記事の要点

  • コーヒー豆の挽き方とは、抽出器具に合わせて豆を砕く粗さ(粒度)を選ぶことです。粒度は一般に極細挽き・細挽き・中細挽き・中挽き・粗挽きの5段階で呼び分けられます。
  • 家庭のペーパードリップなら中細挽き、サイフォンは中挽き、エスプレッソは極細挽きが、UCC・小川珈琲・ツインバードの3社で共通する目安です。
  • フレンチプレスと水出しは、公開されている推奨が会社ごとに割れています。表を見比べて、まず1つを出発点に決めるのが近道です。
  • 味が濃すぎたら粗く、薄すぎたら細かく。変えるのは一度に1段階だけにすると、原因を追いやすくなります。

ミルを買ったものの、ダイヤルをどこに合わせればいいのか分からない。レシピ通りに淹れたはずなのに、なぜか苦い。そんな悩みの多くは、器具と挽き方の組み合わせで説明がつきます。

EL ORIGEN の商品ガイドでは、コーヒー豆を「ミルで挽きたての香りを楽しむ本格派向け」と紹介しています。豆で買う楽しみの中心にあるのが、この挽き方の調整です。この記事では、国内のコーヒー関連団体とメーカーが公開している目安を並べ、器具別の出発点と、味を好みに寄せる調整の順番を整理しました。

コーヒー豆の挽き方とは?5段階の粒度と基本の考え方

細かい粉から粗い粉まで3段階に挽き分けたコーヒー粉
挽き目が変わると粒の大きさと見た目の色味も変わる(イメージ)

挽き方(挽き目)とは、焙煎した豆をどのくらいの粗さの粉にするかという度合いのことです。豆のままお湯に浸しても成分はほとんど出てこないため、粉にして表面積を増やしてから抽出します。

全日本コーヒー協会は、おいしいコーヒーを淹れるための基本原則として6つを挙げており、その2番目が「器具にあった挽き方をする」です。同協会は、挽き方ごとの一杯分の標準的な粉の量も示しています。

挽き方 一杯分の標準的な粉の量(全日本コーヒー協会) 粒の大きさの目安(ツインバード)
極細挽き 6~8g 0.5mm以下(上白糖や粉糖のようなパウダー状)
細挽き 8~10g 0.5~0.8mm
中細挽き 約10g 0.5~1.0mm(グラニュー糖ぐらい)
中挽き 12~13g 1.0~1.5mm
粗挽き 約15g 1.0~2.0mm(ザラメ糖くらい)

出典:全日本コーヒー協会「基本原則」(粉の量)/ツインバード「コーヒー豆の挽き方の違いとは?」(粒の大きさ)

※粒の大きさの数値はメーカーの一般的な目安です。実際の粒度はミルの構造や刃の状態で変わります。

表を見ると、粗く挽くほど一杯に使う粉が増えています。なぜなら、粗い粉は表面積が小さく、同じ量では成分が出きらないからです。粉の量と粗さはセットで動かす、と覚えておくと迷いが減ります。

全日本コーヒー協会の「おいしいコーヒーを淹れるための基本原則」によると、抽出時間が短いと「酸っぱくて薄く」、長いと「苦くてエグく」なります。挽き方はこの抽出時間を左右する、いちばん手前のつまみです。

器具別の挽き方の目安|3社の推奨を比較

器具ごとの推奨は、メーカーのあいだで細部が異なります。UCCのUCC COFFEE MAGAZINE、小川珈琲の「珈琲の教科書 第7章」、家電メーカーのツインバードのコラムを、EL ORIGEN 編集部が器具別に並べ直しました。

器具・淹れ方 UCC 小川珈琲 ツインバード
エスプレッソ 極細挽き 極細挽き 極細挽き
ペーパードリップ・コーヒーメーカー 中細挽き ハンドドリップは中細挽き~中挽き 中細挽き
サイフォン 中挽き 中挽き 中挽き
ネルドリップ 中挽き 記載なし 中挽き
フレンチプレス 中挽き 粗挽き 中細挽き・中挽き・粗挽きのいずれにも記載
水出し 細挽き(ウォータードリッパー) 細挽き(コールドブリュー) 細挽き(苦ければ中挽きも)
パーコレーター 粗挽き 粗挽き 粗挽き

3社がそろって同じ答えを出しているのは、エスプレッソ・サイフォン・パーコレーターです。ペーパードリップも中細挽きが共通の出発点で、小川珈琲はハンドドリップの推奨を「中細挽き」〜「中挽き」と幅を持たせています。

割れているのはフレンチプレスと水出しです。小川珈琲は粗挽きを「直接お湯にコーヒーを漬け込む抽出に向いている」とし、推奨先にフレンチプレスを挙げています。UCCも、粉とお湯の接触時間が長く、金属フィルターなど目が粗いフィルターを使う場合には粗挽きを試すよう勧めています。

水出しは、器具によって前提が違う点に注意が必要です。UCCとツインバードが細挽きを挙げているのは、フィルターに入れた粉に水を通していく方式です。一方、ボトルに粉を沈めて長時間置く方式は粉と水が触れる時間が長いため、EL ORIGEN の水出しコーヒーの作り方では粗挽きを目安にしています。自分の器具がどちらの方式かを先に確かめると、表の読み違いを防げます。

「美味しいコーヒーへの近道は抽出のスキルアップより、適正な挽き目調整にあるかもしれない。」

出典:小川珈琲「珈琲の教科書 第7章」

挽き方で味はどう変わる?濃すぎ・薄すぎの調整法

小川珈琲によると、同じ粉量・湯量・時間で比べた場合、味の濃さは細挽きが1番濃く、次いで中細挽き、粗挽きが1番薄くなります。細かいほどお湯に触れる表面積が大きくなり、溶け出す成分が増えるためです。

方向 メリット デメリット
細かく挽く 短時間で成分が出て、濃くしっかりした味にしやすい ペーパーが詰まりやすく、苦味や渋み、ザラつきが出やすい
粗く挽く お湯抜けがよく、軽くすっきりした味にしやすい 成分が出きらず、薄く物足りない味になりやすい

小川珈琲は、ハンドドリップを細挽きで淹れるとフィルターの目に粉が詰まり、抽出時間が伸びて苦味と渋みが強く出ると説明しています。反対に粗挽きでは、ろ過が速すぎて液色が薄くなり、出るべき味が引き出されない、という説明です。

調整の手順は次の順番にすると、原因を切り分けやすくなります。

  1. まず表の目安どおりの挽き方と、全日本コーヒー協会の標準量で1杯淹れる
  2. 苦い・渋い・後味がザラつく場合は、挽き目を1段階粗くする
  3. 酸っぱい・薄い・物足りない場合は、挽き目を1段階細かくする
  4. 挽き目を決めてから、粉の量やお湯の温度を微調整する

一度に2つ以上を変えると、どれが効いたのか分からなくなります。UCCも、ハンドドリップでは注ぎ方やお湯の温度、粉量など、味を変える要素は多いという指摘です。全日本コーヒー協会はお湯の温度について、沸騰後に火から離して静まった95度前後を適温としています。

ミルの選び方と、豆を挽くときに気をつけたいこと

手挽きのコーヒーミルとペーパードリッパー
臼式の手挽きミルはダイヤルで粒度を調節できるものが多い(イメージ)

同じ「中細挽き」に合わせても、ミルの構造によって粉のそろい方が変わります。小川珈琲とツインバードの説明をもとに、家庭でよく見る2種類を比べます。

ミルの種類 仕組み 特徴
臼式(フラット・コニカル) 2枚の刃のすき間を豆が通って砕かれる ダイヤルで粒度を調節しやすい。プロペラ式より粒がそろいやすく、微粉も少ない傾向
プロペラ式(ブレード) 回転する羽に豆を当てて細かくする 手入れが簡単で比較的安価。粒度の再現性が低く、微粉が多くなりやすい

ツインバードは、プロペラ式は回転による摩擦熱が発生しやすく、その熱で風味がやや劣化しやすいとしています。微粉は雑味の原因になるため、少ないほどすっきりした味になりやすいとも説明しています。

挽くときのポイントは3つです。

  • 淹れる直前に、必要な量だけ挽く。UCCは、粉にすると酸素との接触面が増え、挽いた瞬間から劣化が進むと説明しています。
  • 粒をなるべくそろえる。手回しミルなら、ハンドルを回すリズムを一定にするのがUCCの挙げるコツです。
  • 刃の摩耗を疑う。小川珈琲によると、刃は使ううちに摩耗し、同じダイヤルでも粒度に違いが出ます。いつもの味が変わったと感じたら、豆より先にミルを点検します。

器具をこれからそろえる場合は、EL ORIGEN のコーヒー初心者に必要な器具の解説もあわせて参考にしてください。

挽いた粉の保存と、豆のまま買う理由

UCCは、粉の状態よりも豆で買う方が保存期間が長くなると説明しています。挽いた粉は表面積が大きく、空気に触れる面が一気に増えるからです。

UCCは、飲む分だけ淹れる都度挽くことを、美味しいコーヒーを淹れるコツとして挙げています。まとめて挽いて使い回すより、1回分ずつ挽く方が挽きたての状態で淹れられます。

やむを得ず粉で保存するときは、密閉できる容器に入れ、光と湿気を避けること。保存容器や冷凍の可否、日数の目安は、コーヒー豆の保存方法の記事で詳しく整理しています。

ミルを持っていない場合や、挽く手間をかけたくない日は、1杯分ずつ挽いて密封されたドリップバッグが手軽です。淹れ方のコツはドリップバッグの美味しい淹れ方にまとめています。

EL ORIGEN の豆で挽き方を試すなら

挽き方の影響だけを確かめたいなら、同じ豆・同じ粉量・同じお湯で、挽き目だけを2段階変えて淹れ比べます。ほかの条件をそろえておけば、味の違いはそのまま挽き方の差として読み取れるはずです。

EL ORIGEN のコーヒー豆カテゴリでは、ペルー産・ブラジル産など南米のスペシャルティコーヒーを扱っています。浅煎りや深煎りなど焙煎度の異なる豆もあるので、焙煎度ごとに挽き目を変える試し方も一案です。小川珈琲も、店ではコーヒーの状態や焙煎度合い、抽出方法によって粒度をコントロールしていると説明しています。

ハンドドリップの手順から始めたい方は、スペシャルティコーヒーのハンドドリップ入門もあわせてどうぞ。

EL ORIGEN のコーヒー豆一覧を見る

ミルがない方には、南米スペシャルティドリップバッグ16袋セットという選択肢もあります。商品選びに迷ったら、EL ORIGEN の商品ガイドから好みに合う豆を探せます。

よくある質問(FAQ)

Q. 迷ったときはどの挽き方を選べばいいですか?

A. ペーパードリップやコーヒーメーカーで淹れるなら中細挽きが出発点です。UCCは中細挽きを「最も一般的な粒度なので、迷ったときは、中細挽きがおすすめ」としています。

Q. フレンチプレスは中挽きと粗挽きのどちらですか?

A. 公開情報でも割れています。小川珈琲は粗挽き、UCCは中挽き、ツインバードは中細挽きから粗挽きまでを挙げています。どれか1つで淹れ、苦ければ粗く、薄ければ細かく動かしてください。

Q. 挽き方を変えたら粉の量も変えるべきですか?

A. 全日本コーヒー協会の目安では、一杯分は中細挽きで約10g、中挽きで12~13g、粗挽きで約15gです。粗くするほど粉を増やすのが基本です。

Q. 豆をまとめて挽いておいても大丈夫ですか?

A. おすすめしません。UCCによると、粉にすると酸素との接触面が増え、挽いた瞬間から劣化が進みます。淹れる直前に1回分を挽くのが理想です。

Q. プロペラ式のミルでもおいしく淹れられますか?

A. 淹れられます。ただしツインバードによると粒度をそろえにくく、摩擦熱も出やすい方式です。小川珈琲は、ブレード式は時間をかけるほど細かく砕かれると説明しているので、挽く時間を毎回そろえると仕上がりを再現しやすくなります。

まとめ

要するに、挽き方は「器具の目安で始めて、味を見ながら1段階ずつ動かす」ものです。エスプレッソは極細挽き、サイフォンは中挽き、ペーパードリップは中細挽きが3社共通の出発点でした。フレンチプレスと水出しは推奨が割れるため、器具の方式を確かめてから選びます。

苦ければ粗く、薄ければ細かく。粉の量は粗さに合わせて増減し、挽くのは淹れる直前に。この3点を押さえると、同じ豆からでも狙った味に近づけます。EL ORIGEN では今後も、南米スペシャルティコーヒーを家庭でおいしく楽しむための情報を発信していきます。

この記事について

最終更新日:2026年9月30日/執筆:EL ORIGEN 編集部

※挽き方の目安は、全日本コーヒー協会・UCC・小川珈琲・ツインバードが公開している情報(2026年9月30日時点で確認)をもとに整理したものです。粒度の数値は一般的な目安で、ミルの機種や豆の焙煎度によって最適な設定は変わります。

※商品の内容・在庫・価格は変動します。最新の情報は各商品ページでご確認ください。

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