コーヒーを知らないあなたへ 更新: 2026.10.08

コーヒーの焙煎度合いとは?浅煎り・中煎り・深煎りの違いと選び方

この記事の要点

  • コーヒーの焙煎度合いとは、生豆を炒る深さのことで、ライトローストからイタリアンローストまでの8段階で呼ばれます。
  • 大まかには浅煎り・中煎り・深煎りの3つに分けられ、浅いほど酸味、深いほど苦味を感じやすいとされています。
  • シティローストなど、中間の段階をどの区分に入れるかは団体・メーカーで異なります。
  • 名前だけで決めず、色と味の説明を合わせて見ると選びやすくなります。

パッケージの「シティロースト」や「中深煎り」が、店によって違う意味に見えて戸惑うことはありませんか。実は、8段階の名前は共通でも、浅・中・深のどこに入れるかは出典ごとに異なります。EL ORIGEN では、国内の団体とメーカー4つの公開情報を並べて、その違いが分かるように整理しました。

コーヒーの焙煎度合いとは?8段階の名前と色の変化

白い器3つに、淡い色・茶色・黒に近い色のコーヒー豆を順に入れた様子
焙煎が深くなるほど豆の色は濃くなる(イメージ)

焙煎度合いとは、コーヒーの生豆を炒る深さの度合いです。全日本コーヒー協会は、最も浅いライトローストから、真っ黒になるまで炒り上げたイタリアンローストまで8段階あると説明しています。大まかには浅炒り、中炒り、深炒りの3段階です。

豆の色は、熱が伝わるにつれて深まります。小川珈琲「珈琲の教科書」第4章によると、生豆は「青緑色⇒黄色⇒薄茶色⇒茶色⇒黒色」へ変わります。この変化を色差計で測り、L値という数値で焙煎度を表す方法もあるそうです。8段階のロースト名は、L値よりも大きなくくりで焙煎のレベルを分けたものだと説明されています。

全日本コーヒー協会の一覧にある各段階の説明は、次のとおりです。

焙煎度 全日本コーヒー協会の説明
ライトロースト 最も浅煎りで、うっすらと焦げ目がついている状態。黄色がかった小麦色。香り・コクはまだ薄い。
シナモンロースト シナモン色。ごく浅い炒り方で、まだ青くささが残る。
ミディアムロースト 茶褐色。アメリカンタイプの軽い味わい。
ハイロースト ミディアムよりやや深い炒り方。喫茶店や家庭で飲まれるレギュラーコーヒーに多い。
シティロースト 最も標準的な炒り方。鮮やかなコーヒーブラウン。喫茶店や家庭で味わうことが多く、最近ではエスプレッソ用としても用いられる。
フルシティロースト ダークブラウン。アイスコーヒー用はこの段階まで熱を加える。シティロースト同様エスプレッソにも用いられる。
フレンチロースト 強い苦味と独特の香りが楽しめる。カフェ・オ・レやウィンナーコーヒーなど、ヨーロピアンスタイルのアレンジメニュー向き。
イタリアンロースト 色は黒に近い。強い苦味と濃厚な味わい。最も深い炒り方で、エスプレッソ、カプチーノなどに使用される。

ハイローストの味については、UCC COFFEE MAGAZINEに、酸味とともにやわらかい苦味や甘味が感じられるコーヒーになるとの説明があります。

浅煎り・中煎り・深煎りの線引きは出典で違う|4つの公開情報を比較

8段階の名前は同じでも、浅煎り・中煎り・深煎りのどこに入れるかは出典で異なります。次の表は、4つの公開情報の区分を並べたものです。表記は各出典の原文どおり、「炒り」と「煎り」を使い分けています。

焙煎度 全日本コーヒー協会(一覧の見出しの並び) 小川珈琲 UCC上島珈琲 キーコーヒー
ライトロースト 浅煎り 浅煎り 浅炒り 浅煎り
シナモンロースト 浅煎り 浅煎り 浅炒り 浅煎り
ミディアムロースト 中煎り 中煎り 中炒り 中煎り
ハイロースト 中煎り 中煎り 中深炒り 中煎り
シティロースト 中煎り 中煎り 深炒り 深煎り
フルシティロースト 深煎り 深煎り 深炒り 深煎り
フレンチロースト 深煎り 深煎り 深炒り 深煎り
イタリアンロースト 深煎り 深煎り 深炒り 深煎り

表から読み取れる違いは次の2点です。

  • シティローストは、全日本コーヒー協会の一覧の見出しの並びと小川珈琲では中煎り、UCC上島珈琲とキーコーヒーでは深煎り(UCCの表記は深炒り)に入っています。
  • ハイローストは、UCC上島珈琲だけが「中深炒り」という区分を使っています。

どの区分を採るかは各社・各団体の整理の仕方であり、ここでは違いとして並べるにとどめます。キーコーヒーの「深煎り・中煎り・浅煎りの違いとは?」にも、同じ焙煎度合いでもコーヒーショップによって若干の違いが出ることがある、との記述があります。

焙煎度合いで酸味・苦味はどう変わるか

浅く炒るほど酸味が強く、深く炒るほど苦味を感じやすい。全日本コーヒー協会もUCC上島珈琲も、一般的にはそう説明しています。キーコーヒー「深煎り・中煎り・浅煎りの違いとは?」も、深度が深くなるほど苦みが強くなり、酸味を感じにくくなるとしています。

では、なぜ味が変わるのでしょうか。UCC COFFEE MAGAZINEによると、浅い焙煎では熱分解によって生み出された酸味が目立ちます。そこから徐々に、メイラード反応やカラメル化による香ばしさ・苦味が増えていくそうです。

苦味成分については、UCC上島珈琲のページ「【焙煎のプロが語る】コーヒーはなぜ苦いのか?カフェインだけじゃないんです!」があります。UCCコーヒーアカデミーのチャンネル動画を要約したもので、講師の解説として次の記述があります。焙煎度が深くなるほど、クロロゲン酸ラクトンやカテコールといった苦味成分が増え、苦味が強調される、というものです。

区分ごとの味の説明を、出典ごとに見てみましょう。

  • 浅煎り:小川珈琲は「酸味を感じやすくさっぱりした味わい」と表現。キーコーヒーの「深煎り・中煎り・浅煎りの違いとは?」では、味わいのメインは酸味とされています。
  • 中煎り:小川珈琲は「酸味と苦みのバランスが良く、甘みを感じるものも多い」と書き、キーコーヒーは豆本来の味わいを感じやすい点を特徴に挙げます。
  • 深煎り:小川珈琲は「苦味が強くフルボディ」。キーコーヒーは、最大の特徴は苦みだと説明しています。

個別の段階では、フルシティローストについて、UCC COFFEE MAGAZINEが色はダークブラウンで豆の表面に油がにじむと説明しています。酸味よりも香ばしさや苦味が強く感じられるとのことです。

焙煎中の「ハゼ」とは何でしょうか。UCC COFFEE MAGAZINEの説明では、焙煎時の化学反応で豆内部に二酸化炭素などのガスが発生し、その圧力に耐えられなくなった豆が裂ける現象のことです。

酸味や苦味そのものについては、コーヒーの酸味の解説と深煎りと苦味の解説でも取り上げています。

焙煎度合いと飲み方の相性|アイス・エスプレッソ・ミルク

氷を入れたグラスのアイスコーヒーと、小さなカップのエスプレッソ
飲み方によって、向くとされる焙煎度合いは変わる(イメージ)

出典には、飲み方と焙煎度合いを結びつけた記述があります。

  • アイスコーヒー:全日本コーヒー協会の一覧では、アイスコーヒー用はフルシティローストの段階まで熱を加えるとされています。
  • エスプレッソ:全日本コーヒー協会が挙げるのは、シティロースト、フルシティロースト、最も深いイタリアンローストの3段階です。キーコーヒー「コーヒーの種類がわかる!」では、深煎りの区分がエスプレッソ、カフェオレ、アイスコーヒーなどにも多く使われるとあります。
  • ミルクを使う飲み方:小川珈琲は、中煎りならミルクを混ぜてもコーヒーの味をしっかり感じられると説明。全日本コーヒー協会は、フレンチローストをカフェ・オ・レやウィンナーコーヒーなどのアレンジ向きとしています。キーコーヒーの「深煎り・中煎り・浅煎りの違いとは?」は、深煎りにミルクや砂糖をたっぷり入れる、わざと濃い目に抽出してカフェオレにするといった飲み方をすすめています。

同じ「エスプレッソ用」でも、挙げられる段階は出典で少しずつ違います。パッケージの用途表示も、あわせて確認すると安心です。

カフェインは焙煎度合いで変わるのか

「深煎りのほうがカフェインが多そう」と思う方もいるかもしれません。UCC上島珈琲のよくあるご質問では、浅炒りと深炒りのカフェイン含有量は同程度との回答です。カフェインは焙煎時の熱でほとんど分解や変化せず、焙煎後の豆の重量あたりのカフェイン量はほぼ変わらないという説明になっています。

一方、キーコーヒー「深煎り・中煎り・浅煎りの違いとは?」には、深煎りは浅煎りと比べるとわずかですが、カフェインの含有量が少なくなるとの記述があります。UCCは「同程度」、キーコーヒーは浅煎りと比べるとわずかにカフェインの含有量が少ないとしています。表現に差があるため、ここでは両方の記述を並べるにとどめます。

苦味との関係はどうでしょうか。先ほどのUCC上島珈琲のページ「コーヒーはなぜ苦いのか?」は、UCCコーヒーアカデミーの動画を要約したものです。講師の解説として、カフェインがコーヒーの苦味に与える影響はわずか10%程度に過ぎない、と書かれています。

商品名の「浅煎り」「深煎り」から豆を選ぶとき

キーコーヒー「深煎り・中煎り・浅煎りの違いとは?」によると、一般的なコーヒーショップのコーヒー豆の多くは「深煎り・中煎り・浅煎り」の表示です。8つすべて覚えなくても好みの豆は選べる、という趣旨です。

別ページの「コーヒーの種類がわかる!」には、一般的には中煎りから深煎りのものが多く販売されており、好みの焙煎度合いを見つけるのも楽しみの一つとあります。

EL ORIGEN のコーヒー豆の商品一覧にも、商品名に焙煎度が書かれている商品があります。浅煎りと書かれた商品が複数あり、深煎りと書かれた商品は1つです。

商品名の例は、次の2つです。

  • 「ブラジル産/ サンチュアリオ・スル農園/スーダンルメ/ナチュラル/浅煎り」
  • 「ペルー産/チャンチャマヨ/カチモール種/ウォッシュト/深煎り/」

商品名に焙煎度が入っていない商品もあるため、その場合は商品ページの説明などで確かめる必要があります。

選ぶときは、次の順で確かめる方法があります。

  1. 商品名やパッケージで、浅煎り・中煎り・深煎りのどれと書かれているかを見る。
  2. 「シティロースト」など8段階の名前が書かれている場合は、その店や出典が浅・中・深のどこに入れているかを確かめる。
  3. 色や味の説明(酸味が中心か、苦味が中心かなど)が書かれていれば、あわせて読む。

焙煎した豆を買ったあとは、挽き方や保存も味に関わります。あわせて挽き目の目安とコーヒー豆の保存方法も参考にしてください。浅煎りと深煎りの両方を見比べたいときは、EL ORIGEN のコーヒー豆の商品一覧で、商品名に書かれた焙煎度を見比べられます。

よくある質問(FAQ)

コーヒーの焙煎度合いは何段階ありますか?

全日本コーヒー協会、UCC上島珈琲、キーコーヒーはいずれも8段階と説明しています。最も浅いライトローストから、最も深いイタリアンローストまでです。

浅煎りと深煎りでは、どちらが酸味が強いですか?

浅煎りです。全日本コーヒー協会やUCC上島珈琲は、一般的に浅く炒ったものほど酸味が強く、深く炒るほど苦味が強く感じられるようになると説明しています。

シティローストは中煎りですか、深煎りですか?

出典によって異なります。全日本コーヒー協会の一覧の見出しの並びと小川珈琲では中煎り、UCC上島珈琲とキーコーヒーでは深煎り(UCCの表記は深炒り)に入っています。

深煎りのほうがカフェインは多いですか?

出典によって書き方が異なります。UCC上島珈琲のよくあるご質問は、浅炒りと深炒りのカフェイン含有量は同程度で、焙煎後の豆の重量あたりのカフェイン量はほぼ変わらないと回答しています。キーコーヒー「深煎り・中煎り・浅煎りの違いとは?」は、深煎りは浅煎りと比べるとわずかですが、カフェインの含有量が少なくなると書いています。

アイスコーヒーには、どの焙煎度合いが向いていますか?

全日本コーヒー協会は、アイスコーヒー用はフルシティローストの段階まで熱を加えると説明しています。キーコーヒーも、深煎りの区分はアイスコーヒーなどにも多く使われるとしています。

この記事について

最終更新日:2026年10月7日/執筆:EL ORIGEN 編集部

※焙煎度合いの区分と説明は、全日本コーヒー協会・小川珈琲・UCC上島珈琲・キーコーヒーが公開している情報(2026年10月7日時点で確認)をもとに整理したものです。区分や呼び方は店やメーカーによって異なります。

※商品の内容・在庫・価格は変動します。最新の情報は各商品ページでご確認ください。

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