「コーヒー1杯は10g」とよく言われますが、同じ10gでも、メーカーによって「1杯」の出来上がり量やスプーンの量り方が違います。EL ORIGEN が各社と団体の公開情報を整理したところ、「1杯」の前提がそろっておらず、数字だけをそのまま真似ると濃さがずれやすい状況でした。
この記事の要点
- ホットコーヒー1杯分の粉は、各社の公開情報では10g前後(メリタは約8g、UCCは10〜12g、全日本コーヒー協会のペーパードリップ式は12g)が目安です。
- 「1杯」の出来上がり量は120cc、125cc、約140ccと会社ごとに違うため、粉の量だけの比較は禁物です。
- スプーンは「すりきり」か「山盛り」かで量が変わります。正確に量りたい場合は秤を使うと安心、とキーコーヒーは案内しています。
コーヒー1杯の粉の量は10g前後|メーカーと団体の目安を比べる

ホットコーヒー1杯分の粉は、各社の公開情報ではおおむね10g前後です。ただし表のとおり、基準になる「1杯」の量がそろっていません。
| 出典 | 1杯の出来上がり量 | 粉の量 | お湯の量 | スプーンの量り方 |
|---|---|---|---|---|
| UCC上島珈琲 | 約140cc | 10〜12g | 160cc | 大さじ(計量スプーン)すりきり2杯、またはティースプーン山盛り3杯で約10g |
| キーコーヒー | 120cc | 約10g | 140cc(基本分量表より) | コーヒーメジャースプーンすりきり1杯が10gで一般的。スプーンによって差がある |
| AGF | 約140ml | 約10g | 出典に記載なし | スプーン山盛り1杯 |
| メリタ | 125cc | 約8g | 140cc | メリタのメジャースプーンですりきり1杯 |
| 全日本コーヒー協会(ペーパードリップ式) | 140mL | 12g(中細挽き) | 160mL | 出典に記載なし |
どれが正しいという話ではなく、前提が違うだけです。たとえばメリタの約8gは125ccの1杯分で、UCCの10〜12gは約140ccの1杯分という違いがあります。
粉を買ったら、まず確かめたいのは自分のカップで何cc飲みたいか。そこから、近い基準の会社の数字を出発点にすると、ずれが小さくなります。
「1杯」の量が会社ごとに違う|出来上がり量とお湯の量の見方
表の「出来上がり量」と「お湯の量」は別の数字です。粉がお湯を吸うため、注いだお湯より、カップに落ちる量は少なくなります。
キーコーヒーのフレンチプレスの解説では、粉10gに140mlのお湯を注ぎ、10gの粉が20mlのお湯を吸うので、出来上がりは120mlとされています。
表の「お湯」の列を、そのままカップに入る量と読まないようにしてください。
ハンドドリップそのものの手順は、スペシャルティコーヒーのハンドドリップ手順で整理しています。
杯数を増やすときの粉の量|UCCとキーコーヒーの分量表
2杯以上を一度に淹れるとき、UCCとキーコーヒーでは、分量表の考え方が少し異なります。
| 杯数 | UCC(ペーパードリップ)の粉 | キーコーヒー(ホット)の粉とお湯 |
|---|---|---|
| 1杯 | 10〜12g | 10g・140cc(出来上がり120cc) |
| 2杯 | 20g前後 | 表に記載なし |
| 3杯 | 25〜30g前後 | 30g・420cc(出来上がり360cc) |
| 4杯 | 35〜40g前後 | 表に記載なし |
| 5杯 | 表に記載なし | 50g・700cc(出来上がり600cc) |
出典は、UCC上島珈琲のペーパードリップの解説と、キーコーヒーの基本分量表です。
UCCの数字を1杯あたりに割り戻すと、3杯で約8.3〜10g、4杯で約8.8〜10gになります。杯数が増えるほど、1杯あたりの粉がやや減る書き方です。
一方、キーコーヒーの表は1杯10gの比例で、3杯なら30g、5杯なら50gです。キーコーヒーのペーパードリップの解説でも、3人分はスプーンで3回すくうと書かれています。
どちらが正しいかは決められません。ただ、同じ「3杯」でも粉が数g違う可能性があるので、まず出典のひとつを選び、濃ければお湯を足す、薄ければ次回の粉を増やす、と調整していくのが現実的です。キーコーヒーの分量表にも、カップサイズや器具、蒸らし具合の影響があるため好みで調整するよう注記があります。
器具と飲み方で変わる粉の量|ドリップ・フレンチプレス・エスプレッソ・アイス・水出し
器具や飲み方によって、各社が示す粉の量は変わります。以下は、EL ORIGEN が各社の公開情報を整理したところ、書かれていた範囲の一覧です。
| 飲み方 | 粉の量とお湯の量(出典の記載) |
|---|---|
| ペーパードリップ(ホット) | UCC:1杯分10〜12g、お湯160ml程度。全日本コーヒー協会:1杯140mL分で12g、お湯160mL |
| フレンチプレス | キーコーヒー:1杯分10g、お湯140ml、出来上がり120ml |
| エスプレッソ | 全日本コーヒー協会:1杯25〜30mL分で、極細挽きの粉6〜9g |
| アイスコーヒー | UCC:1杯分12〜15g程度、お湯140ml程度。全日本コーヒー協会:1杯140mL分で12〜15g、お湯140mL、氷は適量。キーコーヒー:グラス1杯で粉15g。AGF:1杯分(約140ml)で約10〜13g |
| 水出しコーヒー | キーコーヒー:粉40g、常温水500cc、出来上がり420cc。AGF:水出しコーヒーパック1個に粉約15g、パック1袋につき約250ml |
出典は、キーコーヒーのフレンチプレス、全日本コーヒー協会のエスプレッソ式、UCCのアイスコーヒー、全日本コーヒー協会のアイスコーヒー、キーコーヒーのアイスコーヒー、キーコーヒーの基本分量表、AGFの淹れ方です。
アイスと水出しは粉が多め
UCCは、アイスコーヒーの粉をホットよりやや多め、お湯をやや少なめにするとしています。
キーコーヒーのアイスコーヒーの解説は、粉10gに対して出来上がり100mlを基本にしています。同じ会社でもホットは10gで120mlなので、アイスのほうが濃い配分です。
水出しでの淹れ方は、コールドブリューのレシピも参考になります。
挽き方でも目安が変わる
全日本コーヒー協会は、挽き方ごとに1杯分の標準的な量を示しています。器具ごとの値ではなく、挽き方ごとの目安です。
| 挽き方 | 1杯分の粉の量 |
|---|---|
| 極細挽き | 6〜8g |
| 細挽き | 8〜10g |
| 中細挽き | 約10g |
| 中挽き | 12〜13g |
| 粗挽き | 約15g |
出典は、全日本コーヒー協会の基本原則です。メリタも、粗挽きの場合は粉を多めにすることをすすめています。挽き方と味の関係は、コーヒーの挽き目ガイドにまとめています。
スプーンで量るときの注意|すりきり・山盛り・深煎り

秤がない場合、各社はスプーンでの目安を公開しています。ただし、同じ10gでも、スプーンの種類と盛り方が変わります。
- UCC:約10gが、大さじ(計量スプーン)すりきり2杯、ティースプーン山盛り3杯、カレーなどに使う大きめのスプーン山盛り1杯
- キーコーヒー:コーヒーメジャースプーンすりきり1杯が10gで一般的。ない場合は、ティースプーン山盛り3杯、大さじすりきり2〜2.5杯が目安
- AGF:スプーン山盛り1杯が約10g
- メリタ:1つ穴フィルター専用の8gメジャースプーンで、すりきり1杯が8g
出典は、UCCのよくあるご質問、キーコーヒーのQ&A、AGFの淹れ方、メリタのメジャースプーンです。
メジャースプーンの容量は製品で違います。キーコーヒーも「スプーンにより差があります」と書いており、10gが量れるものなら家にあるスプーンで代用できるとしています。
深煎りは小山盛りで10g
キーコーヒーのアイスコーヒーの解説によると、深煎りは水分が飛んで軽くなっています。そのため、ホットはすりきり1杯で10gでも、深煎りのアイス用は小山盛り1杯が10gです。
そのうえで、正確に量りたいときは秤を使うと安心、とも書かれています。焙煎度ごとの違いは、コーヒーの焙煎度ガイドで確認できます。
1杯分のカフェインの目安
飲む量に応じて見当をつけるための、カフェイン濃度の数字です。
農林水産省の表では、コーヒー(浸出液)のカフェイン濃度は100mLあたり60mgです。浸出法は、コーヒー粉末10gに熱湯150mLとされています。
ネスレ日本も、粉10gを熱湯150mlでドリップした場合、100ml中のカフェインは約60mgとしています。
同じネスレ日本のページの説明では、カフェインは熱に比較的安定しており、焙煎度によるカフェイン量の変化はほとんどないことが分かっているそうです。
この濃度を使えば、自分が飲む量(ml)に応じて、おおよその見当をつけられます。カップの大きさが違えば、1杯のカフェインも違ってきます。
よくある質問(FAQ)
コーヒー1杯の粉は何グラムですか?
各社の公開情報では10g前後が中心です。UCCは10〜12g、キーコーヒーとAGFは約10g、メリタは約8g、全日本コーヒー協会のペーパードリップ式は12gとしています。「1杯」の出来上がり量が120〜140ccと異なるため、数字に幅があります。
粉10gは大さじ何杯ですか?
UCCは大さじ(計量スプーン)すりきり2杯、キーコーヒーはすりきり2〜2.5杯を約10gの目安としています。スプーンの大きさや盛り方で変わるので、あくまで目安です。
2杯や3杯分を淹れるときも、10gを人数分で足せばいいですか?
キーコーヒーは1杯10gを杯数分として、3杯で30g、5杯で50gとしています。UCCは2杯で20g前後、3杯で25〜30g前後、4杯で35〜40g前後です。会社によって考え方が違うので、まず一方を試して濃さで調整してください。
アイスコーヒーや水出しは、ホットより粉を増やしますか?
UCCとキーコーヒーは、アイスをホットより多めの粉で示しています。UCCは12〜15g程度、キーコーヒーはグラス1杯で15gです。水出しはキーコーヒーが粉40gに常温水500cc、AGFがパック1個に粉約15gです。
スプーンで量ると味がぶれます。どうすればいいですか?
キーコーヒーは、メジャースプーンでも製品によって差があり、正確に量りたいときは秤を使うと安心としています。深煎りは軽いので、同じすりきりでも粉の重さが変わる点にも注意してください。
迷ったときは10g前後から始める
EL ORIGEN が各社の公開情報を整理すると、ホット1杯は10g前後が共通の出発点です。違いは、出来上がり量とスプーンの量り方にありました。
まずは自分のカップの量を決め、近い基準の会社の数字で淹れてみてください。そこから、濃さを見て粉やお湯を少しずつ動かします。粉の鮮度が気になる方は、コーヒー豆の保存方法もあわせてご覧ください。
豆を選ぶところから始める場合は、コーヒー豆の商品一覧から探せます。
この記事について
最終更新日:2026年10月14日/執筆:EL ORIGEN 編集部
※粉の量・お湯の量・スプーンの目安は、UCC上島珈琲・キーコーヒー・AGF・メリタ・全日本コーヒー協会の公開情報を整理したものです。各ページの記載は2026年10月14日に確認しました。カフェインの数値は農林水産省とネスレ日本の公開情報によります。目安は器具や好みで変わります。
※商品の内容・在庫・価格は変動します。最新の情報は各商品ページでご確認ください。
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