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フレンチプレスでのコーヒーの淹れ方|粉の量・時間・挽き目

フレンチプレスの淹れ方は、サイトによって粉の量も時間も違うため、どれに従えばよいか迷いやすい器具です。EL ORIGEN が各社の公開情報を整理したところ、数値は「4分」「3分」などに分かれていました。

  • フレンチプレスは、コーヒーの粉をお湯に浸して抽出する器具です。
  • 公開情報では、抽出時間は4分が多く、キーコーヒーは3分です。挽き目も極粗挽きから中細挽きまで幅があります。
  • 味が薄い・苦いときは、粉の量や挽き目を1つずつ変えて調整します。

この記事では、どの数値が正しいかを決めず、違いをそのまま並べました。自分のフレンチプレスと好みに合わせる出発点として使ってください。

フレンチプレスとは|お湯に浸して抽出する器具

UCC COFFEE MAGAZINE によると、フレンチプレスは、もともとコーヒーを淹れるためにフランスで開発された抽出器具です。「コーヒープレス」「カフェプレス」「プランジャーポット」などと呼ばれることもあります(UCC COFFEE MAGAZINE「フレンチプレスの美味しい淹れ方」)。

抽出の仕組みは「浸漬法(しんしほう)」で、コーヒーをお湯に浸して成分をお湯に移しとる方法を指します。ペーパーフィルターを使うハンドドリップは、粉にお湯を通す「透過法(とうかほう)」と説明されています(UCC COFFEE MAGAZINE「ハルのコーヒー Vol.16」)。

浸漬法は、浸す時間が同じなら誰がやってもおおよそ同じ味わいに仕上がる傾向がある、とも書かれています。ペーパードリップと比べて味にブレが出にくく、初心者でも挑戦しやすいという記述もあります(UCC COFFEE MAGAZINE「人気メーカーのおすすめフレンチプレス4選」)。

ガラスポットに粉をセットしてお湯を注ぎ、数分待つだけで淹れられる点は、全日本コーヒー協会も紹介しています(全日本コーヒー協会「いろいろな器具」)。器具選びで悩んでいる方は、コーヒー初心者向けの器具ガイドも参考になります。

淹れ方の手順|メーカー5社の分量・湯温・時間を比べる

ガラス製フレンチプレスのつまみを指で押し下げているところ
抽出時間が来たら、つまみを押してフィルターで粉を押し下げる

まず、各社の公開ページに書かれている数値を表にまとめます。「記載なし」は、引用したページの該当部分に数値が出ていないという意味です。

出典 粉の量 お湯の量 湯温 時間 挽き目
UCC上島珈琲(器具別の淹れ方) 1杯分あたり10~12g 1杯分あたり160ml程度 92~96℃ 4分ほど 中細挽き~粗挽き
UCC COFFEE MAGAZINE(美味しい淹れ方) 1杯分で12~13g程度 160cc 記載なし 4分程度 中挽き程度
キーコーヒー 1杯分10g 140ml 90~95℃ 3分 記載なし
タリーズコーヒー 記載なし 記載なし 記載なし 蒸らし30秒ほど、そのあと4分 極粗挽き
スターバックス(コーヒープレス) 20g 300ml 90~96℃ 4分 粗挽き
HARIO(コーヒーライフ プレス) 記載なし 記載なし 記載なし 約1分蒸らし、対流が収まるまで約2分 記載なし

以下は補足です。キーコーヒーは、10gの粉が20mlのお湯を吸うため、できあがりは120mlになると説明しています。スターバックスの「いれ方の4つの基本」は、器具共通の目安を180mlの水に大さじ2杯(約10g)としています。これはコーヒープレス専用ページの20g・300mlとは別の数値です(スターバックス「いれ方の4つの基本」)。

タリーズの数値はタリーズコーヒー「いろいろな抽出器具と使い方」、HARIO の数値はHARIO「コーヒーライフ プレス」によります。

UCC は、同じ会社の中でも器具別ページ(中細挽き~粗挽き・粉10~12g)と、マガジン記事(中挽き・粉12~13g)で数値が違います。

基本の流れ(UCC上島珈琲のページの順)

  1. ガラスポットとカップを、あらかじめ湯煎して温めておきましょう。お湯はこの温めにも使うので、多めに用意するよう UCC は書いています。
  2. コーヒー粉をフレンチプレスに入れる。UCC の目安は、1杯分あたり10~12g
  3. お湯は、沸騰した状態から鎮まり落ち着いたぐらいが適温(92~96℃)とされています。1杯分あたり160ml程度を、粉の乾いたところが無いようになじませて注いでください。
  4. 蓋をして、金網フィルターを上げた状態のまま4分ほど置いて抽出します。
  5. 4分経ったら、つまみを押してフィルター部分で粉を押し下げ、コーヒーをカップに注いで出来上がり。

出典:UCC上島珈琲 フレンチプレス(器具別の淹れ方)

手順が分かれるところ

  • 蒸らしの有無:タリーズは、粉全体になじむ程度にお湯をかけて30秒ほど蒸らします。HARIO も、粉全体が湿る程度に注いで約1分待つ手順ですが、UCC の器具別ページには蒸らしの記述がありません。
  • 混ぜるかどうか:スターバックスは軽くかき混ぜてから蓋を閉じ、タリーズもスプーンなどで軽く混ぜて表面に浮いた粉を沈めます。ただし、強く混ぜると苦みが出やすいとの注意書きが付きます。一方、UCC COFFEE MAGAZINE の「ハルのコーヒー」は、かき混ぜずに4分待つ手順。攪拌すると早く抽出されるものの雑味も出るので気をつけて、という説明です。
  • 時間:多くは4分で、キーコーヒーのみ3分です。HARIO は、約1分の蒸らしのあと、対流が収まる約2分で押し下げる流れ。
  • 押し下げ方:UCC COFFEE MAGAZINE は、速すぎず遅すぎず、3~5秒程度かけて押し下げるのがポイントです。タリーズは「ゆっくりと押し下げて」と書いています。

水とお湯の準備について、全日本コーヒー協会は、なるべく浄水器を通した水を使い、軟水がコーヒーの味をダイレクトに楽しむのに適していると説明しています。お湯は沸騰後にポットを火から離し、湯面がぐらぐらしているのが静まった程度(95度前後)が適温とされています(全日本コーヒー協会「おいしいコーヒーを淹れるための基本原則」)。

粉の量をもう少し詳しく知りたいときは、1杯あたりのコーヒー豆の量ガイドもどうぞ。

挽き目はどれくらい?粗挽き・中挽き・中細挽きの考え方

挽き目の表記は、極粗挽き・粗挽き・中挽き・中細挽きと分かれます。ただ、UCC の2ページ(器具別の淹れ方とCOFFEE MAGAZINE)は、金属フィルターを理由に、細かく挽きすぎないことを挙げています。

  • UCC上島珈琲:金網のフィルターはペーパーフィルターなどより目が粗いため、細かく挽きすぎないよう注意、という書き方です。
  • UCC COFFEE MAGAZINE:金属フィルターのフレンチプレスには中挽き程度が向いているとされます。粉が細かいと、抽出液のザラつきや濁りが出る可能性もあるとのこと。
  • ハルのコーヒー(解説役の発言):中細挽きでもOKですが、挽き目を選べるなら中挽きがおすすめ。
  • スターバックス:粉がお湯に触れる時間が長いほど粗く挽くのが基本です。コーヒープレスは粗めに挽くと、ゆっくり風味が抽出されて雑味が出にくくなる、と説明しています。
  • タリーズ:コーヒープレスの挽き目は極粗挽きです。

出典ごとに、挽き目の呼び方も幅も違います。UCC 器具別ページは中細挽き~粗挽き、COFFEE MAGAZINE は中挽き程度、スターバックスは粗挽き、タリーズは極粗挽きです。どれを選ぶかは、好みと器具に合わせた幅だと言えます。挽き目の全体像は、コーヒーの挽き目ガイドにまとめています。

味が薄い・苦いときの調整法と、押し下げ方の違い

迷ったときは、EL ORIGEN の提案として、数値を一度に全部変えず1つずつ動かす方法があります。一度に変えると、何が効いたのか分かりにくくなるためです(出典の記述ではなく、EL ORIGEN の整理です)。

キーコーヒーは、味の調整について次の方法を挙げています(キーコーヒー「フレンチプレスのおいしいいれ方」)。

感じること 試す方法
「味が薄い」「何か物足りない」 粉の量を増やす/挽き目を細かくしてみる
苦みが強い 粉の量を減らす/挽き目を粗くしてみる/最後の数滴を注がない

時間の面では、全日本コーヒー協会が、抽出時間が短いと「酸っぱくて薄く」なり、長いと「苦くてエグく」なると説明しています。成分に溶け出しやすいものと溶けにくいものがあるためです。

押し下げ方には違いがあり、UCC は4分経ったらつまみを押し下げるとしています。一方キーコーヒーは、シャフトの長さがメーカーにより異なるため、最後まで押してしまうと過抽出となり、余分な雑味や苦みが出てしまうことがあるとしています。そのときは、一番下まで下げないようにして少し浮かせるのがポイントです。

抽出後の置き方も関係します。スターバックスによると、コーヒープレスでおいしさを保てるのは抽出後およそ20分です。プレスの中に入れたままにすると、過度に抽出されて苦みが強く出て、風味のバランスが崩れるとされています(スターバックス「コーヒープレスでのいれ方」)。

焙煎度でも味の出方は変わります。焙煎度の違いガイドもあわせてご覧ください。

ペーパードリップとの違い|油分・微粉と、無ろ過コーヒーの研究

味わいの違い

UCC COFFEE MAGAZINE は、従来の紙フィルターでは油分を濾し取ってしまうことがあり、フレンチプレスはコーヒーオイルを含んだコーヒーに仕上がると説明しています。タリーズも、金属製フィルターのため、コーヒーのオイルなども抽出液に含まれると書いています。

キーコーヒーは、ハンドドリップと比べて抽出の条件をそろえやすく、味わいが安定しやすい点も魅力、という説明です。

一方で、カップの底に微粉末が残るため、味がオイリーで苦手な人もいるかもしれない、という指摘もあります。日本では、ペーパーで濾したクリアな味が好まれる傾向がある、との発言です(ハルのコーヒー)。UCC COFFEE MAGAZINE は、カップに入る少量の粉も、フレンチプレスの「味」として楽しんでほしいとしています。

ペーパードリップ側の手順は、スペシャルティコーヒーのハンドドリップガイドで紹介しています。

無ろ過コーヒーに関する研究(PubMed 要旨の範囲)

紙などで濾していないコーヒーについては、コーヒーに含まれる成分と血中の脂質を調べた研究があり、ここでは PubMed に載っている要旨に書かれている範囲だけを日本語にします。参加者に対する結果であり、1杯あたりの影響を示すものではありません。

  • De Roos ほか(J Intern Med 2000):脂質が正常な健康な46人が、フレンチプレスまたは濾したコーヒー0.9リットルを24週間飲んだ試験です。要旨では、CETP(コレステリルエステル転送たんぱく)の増加がLDLコレステロールの増加に先行し、総トリグリセリド(中性脂肪)の増加には先行しなかったとされています。カフェストールとカーウェオールはCETPとPLTPの活性を長期的に高め、CETP活性の増加がLDLコレステロール上昇の一因となりうる、と結んでいます(PubMed 要旨)。
  • Cai ほか(Eur J Clin Nutr 2012):欧米で行われた12の研究、合計1017人を対象にまとめた報告です。総コレステロールの増加は、無ろ過コーヒーやカフェイン入りコーヒーを使った群で大きかったとされています。コーヒー、特に無ろ過コーヒーの摂取は、総コレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪の増加に統計的に有意に関わり、その変化は摂取量と関連していたと書かれています(PubMed 要旨)。
  • Urgert ほか(Am J Clin Nutr 1997):コーヒーのジテルペンであるカフェストールは、ロブスタ種にもアラビカ種にも含まれる成分です。無ろ過のコーヒー抽出液に含まれ、ヒトの血清コレステロール、トリアシルグリセロール、ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)の濃度を上げると書かれています。血清脂質への影響は、カーウェオールの上乗せ分よりカフェストールのほうがはるかに大きかったとのことです。そのため、無ろ過コーヒーが脂質を上げる可能性は主にカフェストールの量に左右される、と結論づけています(PubMed 要旨)。

ここに挙げたのは研究の要旨の内容です。個人の健康への当てはめはできません。健康面が気になる方は、医師に相談してください。

使ったあとのお手入れと、耐熱ガラスの扱い

洗い終えたガラス製フレンチプレスとふたを布巾の上で乾かしているところ
洗ったあとは、水分をしっかりふき取る

キーコーヒーは、使用後の洗い方を次のように説明しています。

  1. フレンチプレスに粉が入っている状態で水道水を入れる。プレスの熱が抑えられ、洗う際に触っても熱くありません。
  2. 水道水が入った状態で流してから、コーヒー粉を捨てましょう。
  3. シャフトとフィルターは分解して洗うのがおすすめです。フィルターは緩めて外すと3つに分けられます。
  4. 洗ったあとは、しっかりと水分をふき取ってください。

洗わずにそのままにすると、コーヒーの油分が残って酸化し、次に抽出するときの味わいに影響するとキーコーヒーは説明しています。UCC の器具別ページにも、フィルター部分は目詰まりしないよう使用後にしっかり洗浄する、との記述があります。毎回しっかり洗っていても、においや色がついてしまうことはあるそうです。そんなときは、重曹・クエン酸・酸素漂白剤などを薄めた水に30~40分浸けると気にならなくなる、とキーコーヒーが説明しています。

耐熱ガラスの扱い

ガラス製のポットは、扱いにも気をつけたいところです。HARIO のよくあるご質問では、耐熱ガラスは熱に強いものの強化ガラスではなく、衝撃に対しては普通のガラスと同じ強度だと説明されています(HARIO よくあるご質問)。

  • 強い力が加わると割れます。例は、ぶつける、ねじる、引っ張る、押し込む、叩く、落とす、などです。
  • 使用時やお取り扱い時に付いた接触キズも、割れの原因になる(例:硬いものと擦れる、研磨剤付きスポンジ等で擦る)。
  • 急な加熱や冷却で割れることがあります。

HARIO のコーヒーライフでは、二重グラスや足が付いているものはコーヒーが冷めにくい、とも紹介されています。器具を選ぶときの参考になる情報です。

よくある質問(FAQ)

フレンチプレスの抽出時間は何分ですか?

公開情報では4分が多く、UCC、スターバックス、タリーズが4分です。キーコーヒーは3分、HARIO は約1分の蒸らしのあと対流が収まる約2分で押し下げる手順です。

挽き目は粗挽きと中挽きのどちらがよいですか?

答えは出典によって分かれ、スターバックスは粗挽き、タリーズは極粗挽き、UCC COFFEE MAGAZINE は中挽き程度、UCC の器具別ページは中細挽き~粗挽きとしています。UCC の2ページは、細かく挽きすぎないよう注意を促しています。

コーヒー粉は1杯分でどれくらい使いますか?

UCC の器具別ページは10~12g、UCC COFFEE MAGAZINE は12~13g程度、キーコーヒーは10gです。スターバックスのコーヒープレス専用ページは20gに300mlで、数値は出典ごとに異なります。

味が薄いときと苦いときは、どう直せばよいですか?

キーコーヒーは、薄いときは粉の量を増やすか挽き目を細かくし、苦いときは粉の量を減らすか挽き目を粗くする方法を挙げています。苦いときは、最後の数滴を注がない方法もあります。

抽出したあと、プレスに入れたままにしてもよいですか?

スターバックスによると、プレスの中に入れたままにすると過度に抽出され、苦みが強く出て風味のバランスが崩れます。おいしさを保てるのは抽出後およそ20分とされています。

EL ORIGEN が各社の公開情報を整理すると、フレンチプレスの数値は「正解が1つ」ではなく、味の好みと器具に合わせた目安の幅でした。まずは出典の1つを出発点にして、薄い・苦いと感じたら粉の量や挽き目を1つずつ動かしてみてください。豆選びは、コーヒー豆の商品一覧からどうぞ。

この記事について

最終更新日:2026年10月21日/執筆:EL ORIGEN 編集部

※粉の量・お湯の量・湯温・時間・挽き目は、各社の公開情報を整理したものです。参照したのはUCC上島珈琲・キーコーヒー・タリーズコーヒー・スターバックス コーヒー ジャパン・HARIO・全日本コーヒー協会で、記載は2026年10月21日に確認しました。研究の内容は PubMed に掲載された要旨によります。目安は器具や好みで変わります。

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