EL ORIGENが南米コーヒーにこだわる理由
南米に絞っている理由は、単に「産地を限定したい」からではありません。広い標高差、多様な気候、国ごとの文化、そして生産者の手仕事が、一杯の味わいに表れやすい地域だからです。EL ORIGENが大切にしているのは、味だけでなく背景まで届く選び方です。
| 見るポイント | 南米産で感じやすい価値 | EL ORIGENで伝えたいこと |
|---|---|---|
| 産地の多様性 | ペルー、ブラジル、ボリビア、コロンビアなど、国ごとに味の方向性が違う | 「南米」と一括りにせず、国ごとの個性を伝える |
| 標高と地形 | アンデス山脈周辺では標高差が味の明るさや香りに関わる | 酸味を「すっぱい」ではなく、果実感として楽しむ入口を作る |
| 生産者の手仕事 | 収穫、精製、選別の丁寧さが品質に影響する | 価格だけでなく、背景を知って選べる状態にする |
なぜ?南米専門商社なのか?

私たちMisionero株式会社(ミッショネロ)は、日本と南米をつなぐ専門商社として2024年に誕生しました。
「なぜ世界中の産地がある中で、南米に特化したのか?」という疑問にお答えするとともに、私たちの歩む道とビジョンをお伝えします。
原点は20代の自給自足生活体験

私、代表の竹内暁信(通称:ノブ)が10代の頃から世界を旅する中で、発展途上国と先進国の間に存在する圧倒的な格差を目の当たりにしました。特に心を動かされたのは20代前半に訪れた南米での経験です。
そこでは現地のインディオ(先住民族)の方々と1年間にわたる自給自足の生活を共にしました。彼らは物質的には決して豊かではありませんでしたが、与えることを惜しまない温かさと、自然と共生する知恵に満ちていました。
「この人たちに何か恩返しができないだろうか」帰国後も頭から離れなかったこの思いが、Misionero株式会社設立の原点となりました。
南米が持つ無限の可能性
南米大陸には、世界有数の生物多様性と肥沃な大地があります。特にコーヒー生産においては、コロンビア、ブラジル、ペルー、エクアドルなど、世界トップレベルの品質を誇る産地が集中しています。
しかし、その潜在能力に比べて:
- 日本市場での認知度は限定的
- 高品質な産品が適正な価格で取引されていない現状
- 複雑な流通経路により生産者の手取りが少ない
という課題が存在します。
近年はアジア産の豆も評価され始めました。日本の愛好家の間では、アフリカ産やアジア産のスペシャルティが大きな存在感を持っています。その一方で、南米産の優れた豆に触れる機会はまだ限られたままです。スペシャルティという考え方そのものと、南米という産地の両方を、もっと身近にしたい——それが私たちの出発点です。
「Gradation World」を目指して

私たちのスローガンは「Gradation World」。世界に境界線や段差を作るのではなく、グラデーションのように自然につながる世界を目指しています。
その実現のために:
- 直接取引による適正価格の実現:中間マージンを極力削減し、生産者に還元します
- ストーリーの共有:単に「美味しいコーヒー」ではなく、その背景にある人々の物語を伝えます
- 持続可能な農業支援:気候変動の影響を受けやすいコーヒー栽培の持続可能性を高める取り組みを支援します
エル・オリヘン:「原点」を意味するブランド

私たちの取り扱うコーヒーブランド「EL ORIGEN(エル・オリヘン)」。スペイン語で「起源」「原点」を意味するこの名前には、いくつもの思いが込められています。
- コーヒーの原産地としての南米への敬意
- 私自身の原点となった南米体験
- お客様にとって新たな価値観の原点となるような体験の提供
品質へのこだわり
「エル・オリヘン」で取り扱うのは、SCAスコア補正値80点以上の南米マイクロロット・ナノロット生豆のみです。
これまでに輸入した最上位のロットは、同じ尺度で88点を超える南米ナノロット生豆です。
これは世界基準でも「エクセレント」から「アウトスタンディング」に位置づけられる、トップクラスの品質です。
数量は限られますが、日本ではまだ出会えない希少な豆を、現地農家との直接パイプラインを活かして皆様にお届けします。
マイクロロット・ナノロットとは、農園全体の収穫をまとめずに、区画や収穫日、精製方法ごとに小さく分けて管理された生豆のことです。ロットが小さいほど個性は際立ちますが、そのぶん量は確保できず、同じ豆を翌年も届けられる保証はありません。希少性と引き換えに再現性を手放している、という前提でお届けしています。マイクロロットの考え方はマイクロロットコーヒーとは?希少性・味わい・選び方で詳しく扱っています。
南米の国ごとに味の方向性はどう違うのか
「南米産」と一括りにされがちですが、実際には国によって育つ環境が大きく異なります。アンデス山脈沿いの高地と、赤道直下の低地では、日照も昼夜の寒暖差も同じではありません。同じ国のなかでも、農園の標高や精製方法が変われば、カップに出てくる印象は変わります。EL ORIGENが産地名だけで良し悪しを決めないのは、この幅の広さがあるからです。
そのため、豆を選ぶときは「どの国か」に加えて「どのあたりの標高で、どう精製されたのか」まで見ておくと、失敗が減ります。国ごとの特徴と初心者向けの選び方は、南米コーヒーとは?国別の特徴・味わい・初心者向け選び方で整理しました。産地単位でさらに深く知りたい方は、エクアドルコーヒーとは?ロハ県の高地栽培とガラパゴス島の希少豆もあわせてご覧ください。ペルー・ブラジル・ボリビアの飲み比べについては、南米コーヒーおすすめ国別ガイドにまとめています。
代表の竹内が南米で1年を過ごしたとき、生活のなかで日常的に飲んでいた一杯と、EL ORIGENがいま扱うスペシャルティの一杯は、同じ国の産物でありながら別物でした。産地に住んでいたからといって、その国の豆を分かった気になれるわけではない——この実感が、産地を細かく見ていく現在の姿勢につながっています。
ビジネスを超えた使命
ビジネスとしての成功はもちろん大切ですが、
私たちの本当の使命は:
- 南米の小規模農家の持続可能な生活を支援すること
- 気候変動によって2050年までに生産地の半分が失われるとも言われる「コーヒー2050問題」に立ち向かうこと
- 日本と南米の文化的・経済的な橋渡しをすること
にあります。
一杯のコーヒーから始まる変化
高品質な南米産の一杯を楽しむことは、単なる味覚体験にとどまりません。遠く離れた生産者コミュニティの支援へと、確かにつながっていきます。だからこそEL ORIGENは、一杯に込められた物語と可能性を手放さずにいたいと考えました。
日本のロースター様、カフェ様、そして最終的には消費者の皆様と共に、コーヒーを通じた持続可能な未来を築いていきたいと考えています。
よくある質問
南米コーヒーはどんな人に向いていますか?
香りや酸味、産地ごとの違いを楽しみたい方に向いています。苦味の強さだけで選ぶより、果実感や甘みの方向で選びたい方に馴染みやすい傾向があります。
なぜ南米に特化することがブランド価値になるのですか?
地域を絞ると、産地理解や生産者の背景を深く伝えられます。EL ORIGENでは、南米の多様性を一杯ごとのストーリーとして届けることを重視しています。
EL ORIGENが扱う豆の基準は何ですか?
南米産のマイクロロット・ナノロット生豆に限定し、SCAスコア補正値80点を下限としています。これまでに補正値88点を超えるナノロット生豆の輸入実績があります。
酸味が苦手でも南米の豆は楽しめますか?
酸味の出方は国・精製方法・焙煎度で変わります。苦手な方は中深煎り以上から試すと違和感が出にくいはずです。好みが定まらないうちは、お問い合わせいただければ選び方をご案内します。
Misionero株式会社とEL ORIGENの関係を教えてください。
Misionero株式会社は2024年に設立した日本と南米をつなぐ専門商社で、EL ORIGENはその同社が展開するコーヒーブランドです。スペイン語で「起源」「原点」を意味します。
参考情報
- Specialty Coffee Association|What is Specialty Coffee
- SCAJ|スペシャルティコーヒーの定義
- International Coffee Organization|About us
- National Coffee Association|About Coffee
最終更新: 2026年8月14日/記載: EL ORIGEN 編集部
※本記事はEL ORIGEN(Misionero株式会社)の事業方針と取り扱い基準を説明したものです。取り扱う生豆は収穫年ごとに入れ替わるため、記載した産地・ロットが常時在庫しているとは限りません。
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